やっぱりデマだった!「外国人、生活保護優遇」の流言

2025年09月30日

7月に行われた参議院選挙では、「生活保護世帯の3分の1は外国人」「外国人は生活保護で優遇されている」などとの言説が流されました。 
この言説がデマだということは初めから感じていましたが、こんなデマを流して外国人をバッシングして、一体何が楽しいのでしょうか。非常に不愉快極まりない言説でした。
私はこの言説を正面から否定したくて、9月議会の一般質問に取り上げました。

まず吉川市の生活保護受給世帯数ですが、7月末時点における生活保護受給世帯数633世帯の内、外国人のみ又は外国人を含む世帯は15世帯であり、全受給者における外国人世帯の割合は2・36%との答弁でした。

厚労省も「生活保護における外国人の取扱いについて」という資料を出しています。

その資料によると、2014年の全被保護人員数は216.6万人。そのうち世帯主が日本国籍を有さない世帯の人員数は74,386人でその割合は3.43%。
2023人の全被保護人員数は202.1万人、世帯主が日本国籍を有さない世帯の人員数は65,683人でその割合は3.25%。
世帯数で見ても2014年の被保護世帯数が1,612,340世帯。そのうち日本国籍を有さない被保護世帯数は 46,899 世帯でその割合は3.51%。
2023年は被保護世帯数が1,650,478世帯、世帯主が日本国籍を有さない世帯数は 47,317世帯で、その割合は1.93%。

やはりあの言説は全くのデマであり、悪質な嘘だということがよくわかります。

外国籍の方の生活保護受給の背景には、かつて日本が朝鮮半島を植民地支配していた歴史と深い関係があると認識しています。
徴用で連れてこられた人々や働きに来ていた朝鮮の方々が戦後も帰国できず、十分な賃金を得られる職業になかなか就けなかったり、年金に加入できないなどの問題がある中で生活が困窮し、生活保護が必要になったのだと思います。
また80年代にフィリピンの方との結婚が多くあり、その後離婚や死別などがありました。日本人でもシングルマザーの貧困は深刻な問題になっています。シングルマザーになったフィリピンの方々の生活の困窮は想像に方くなく、その方々が今高齢者になって生活保護が必要になっていると認識しています。

市内外国人の生活保護受給の背景について問いました。
市の答弁は、

昭和29年厚生省社会局長通知項目3の原文、
終戦前より国内に在留する朝鮮人・台湾人は従来日本の国籍を有していたのであり、講和条約の発効によって初めて日本国籍を喪失したわけである。従って講和条約発効前においては日本国民として法の適用を受けていた点、条約発効後においても従来のまま日本に在留する者多く、生活困窮者の人口に対する割合も著しく高い点、あるいは種々の外交問題が解決していない以上外交機関より救済を求めることが現在のところ全く不可能である点などに依りして、かかる朝鮮人・台湾人の保護については一般外国人と同様に複雑な手続きを取ることは何ら実益を期待できないので、特にその取扱いを一般外国人といつにし、保護の措置に関する手続きを簡素化した」
という記載がある。この通知に基づいて行政措置として対応している。

というものでした。

良い答弁をいただいたように思います。
歴史と今との両方をきちんと見ることがとても大事なのだと思いました。