位置情報提供サービスも廃止へ

2025年10月02日

9月議会で改正(?)された「吉川市介護福祉総合条例」では、精神障害者保健福祉手帳2級所持者のタクシー券と並んで、高齢者及び障害者施策として実施されてきた「位置情報提供サービス」が今年度いっぱいで廃止することが決まってしまいました。

昨年度までは初期費用3,300円をご利用者の方に負担していただき、月額利用料4,510円を市が支払ってきました。今年度からは初期費用8,000円を上限に市が補助し、月額利用料の半分については2,000円を上限に市が支払う形に変更しました。
その結果、サービスの利用者は2023年度の高齢者15人、障害者8人から、今年度は高齢者3人、障害者3人と大きく減少しました。利用者全員が月額利用料1,320円という安いプランに変更し、市の負担は月々660円と大きく減少しました。

9月議会では、「GPS機能を搭載するスマホや位置情報タグなどの普及も進む中で、市が提供する意義が希薄になっている」との理由で、今年度いっぱいの廃止が提案されました。

市のメール配信サービスに登録しているので、防災無線で流された情報がパソコンに届き、これまでの履歴を辿ることができます。「迷い人」のメールも年に数回か送られてきます。
今年1月17日に行方不明になった83歳の女性が発見されたのは3月31日です。
7月21日に行方不明になった74歳の男性は、7月30日に発見されました。
メールでは「無事保護されました」という表記と、「発見されました」という表記とが見られます。数日を経て発見された方々は「発見されました」と表記されています。
発見時の状態がどのようなものだったのか、想像するだけで胸が痛みます。

「代替技術がある」ことは確かにその通りです。
しかし今も深刻な行方不明者がいるという事実を、市はどのように考えているのでしょう。
「位置情報提供サービス」には、認知症等での行方不明により命を落とす人をなくすという大きな課題があると思うのです。
「行方不明で亡くなる人をひとりも出さない」、そのために市でできることは何なのか。
そういう視点で考えていただきたいものだと思います。