『マクベスに告げよー森の女たちの名前を』を観ました

2025年10月12日

数年前に睡眠障害になり、ちょっと遠くのメンタルクリニックを受診しました。
全予約制のクリニックでしたが、待合室は診察を待つ人で非常に混雑していました。
診察を待っていると、異様な回転の速さを感じました。医師が患者さんを呼んで、その方が診察室に入って、出て来るまでの時間が異常に早いのです。「3分診療」とよく言われるけど、とても3分などという話ではないと思い、思わず私は一人ひとりの診察時間というか診察室の滞在時間を測ってしまいました。平均20秒でした(@ ̄□ ̄@;)!!
中には非常に辛そうな様子の患者さんもいらっしゃいましたが、ほとんどの方が20秒、遅くても1分以内には出てきました。とても驚きました。

私自身は正直眠れるようになれば良いとだけ思っていたのでその状況に不満はなく、いつの間にか眠れるようになったので通うのもやめてしまいました。ただあの20秒診療の衝撃は、未だに忘れられません。

『マクベスに告げよ―森の女たちの名前を』(くるみざわしん作 東憲司演出)を観ました。

精神医療に纏わる様々な問題がもりだくさんに折り込まれていて、鋭くて、キレが良くて、深くて、ストーリー展開もめちゃくちゃ面白い!!
色々と考えさせられる舞台なのに、何から考えたら良いのか戸惑うほどに凄い舞台でした。

その中でもすごく面白かったのは「ドリフ診察」。

ばばんばばんばんばん ばばんばばんばんばんあの「ドリフだよ、全員集合」のエンディング曲に合わせて、「飯食ってるか?」「夜寝てるか?」「薬飲んでるか?」「また来月」。
診察なのに患者さんのことなど何も見ていない。
カタチだけの診察をして、薬だけ出してハイ、おしまい。
あの20秒診療を思い出しました。

看護の仕事の中でもたまに、「このお医者さんは処方屋さんみたいだなぁ」と思ったことがあります。
要するに患者さんに関心がないんだろうなぁ。自分が出した処方の結果、患者さんがどうなったかということにも。
ばばんばばんばんばんと医者に迫り、おちょくる。すごい発想だなぁと思いました。
佐藤光展さんとくるみざわさんとのアフタートークの中で、佐藤光展さんが代表理事を務める一般社団法人OUTBACKプロジェクトさんが「ドリフ外来」というお芝居をやっているのだと知りました。
ぜひ観てみたいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=gmZ9KFQUXSI