『蛍の光 窓のイージス』

2025年10月25日

『蛍の光 窓のイージス』(劇団文化座)を観ました。

2017年、北朝鮮の弾道ミサイルに対抗するため、日本国内にイージス・アショアを配備することが閣議決定されました。その候補地は秋田県と山口県でした。
その秋田県の高校の卒業式。在校生を代表する答辞にイージス・アショアを入れて良いかどうかを巡り、教職員が翻弄される物語です。

イージス・アショアが配備されたら教室の窓から見える風景、砂防林に続く海、美しい風景が変わってしまう。それは嫌だ、みんなでこの問題を考えたいと願う高校生の声は受け止められるのか、排除されるのか・・・。

2020年、イージス・アショアの配備計画は断念されました。
パンフレットによると、弾道ミサイルを迎撃する際に使用するミサイルのブースターが発射後に確実に自衛隊の演習場内や海上に落下するように制御することが困難だと判明、つまり市街地に落ちる可能性があったこと。ミサイル本体のハードウェア回収には2,000憶円以上の費用と10年以上の期間が必要とされたことが断念の表向きの理由だそうです。
どちらにしても配備されなくて、無駄なお金が遣われなくて良かったと私は思ってしまいます。

パンフレットでは秋田魁新法取材班編著『イージス・アショアを追う』というドキュメントが紹介されていて、「この本がなければこの作品は生まれませんでした」とまで書かれています。

思わず『イージス・アショアを追う』を注文してしまいました。