『学校では教えてくれない差別と排除の話』

2026年02月10日

選挙期間中なぜか不眠症になってしまい、驚くほど全く眠れませんでした。
仕方なく読書をして過ごしたのですが、一晩のうちに読み終えてしまったのがこの本、『学校では教えてくれない差別と排除の話』(安田浩一著 晧星社)でした。

93年に始まった技能実習制度。2024年の時点で、日本に滞在する研修生・実習生は約47万人。研修生を送り出している国はベトナムと中国が7割を占め、その他多い順にフィリピン・インドネシア・タイ。
最低賃金は健康で文化的な最低限度の生活を保障するために最低限必要とされる金額。でも研修生・実習生には最低賃金が保障されていない。経営者による実習生への暴力は今でも問題になることが少なくなく、暴力を振るう経営者たちは実習生を「うちの子」と呼ぶ。家族だから賃金が安くても良いし、体罰を与えて良いという自分勝手な話。
雇用する側にもやむにやまれぬ(?)事情もある。
それは下請け・孫請け会社が親会社からひどい搾取を受けているから。最賃すら支払えないような工賃で買いたたかれる。最賃以下では日本人は誰も働いてくれない。
外国人なら労働法を守らなくても良い、最賃以下の安い賃金で働かせても良いと雇用主に思わせてしまうのが実習生という名称とその制度。
この制度によって日本にやって来る実習生は、人手不足や人件費の負担に悩む日本の農村や漁村、そして零細工場など。

実習生はどこで働くのかを決められず、管理団体が勝手に働く場所を決める。そしてどんなに給料が安くても、どんなにひどい環境で生活させられても、我慢できずに途中で帰国してしまえば、本国の業者に保証金を取られてしまう。だからどんなにひどい状況であっても、ギリギリまで我慢してしまう。
そして実習生を低賃金で働かせることにより、地域全体の賃金を安くしてしまっていることも考えられる。
差別を受けているのは実習生だけでなく、ブラジルなどの日系人もまた然り。日系人の多くはパートや契約社員で、正社員はほとんどいない。

醜い差別発言をする人の多くは、そういう発言をしていないときはごく普通のよい人。それがネットで発言したり、デモに参加したりすると差別主義者に一変してしまう。
差別主義者として生まれてくる人はいない。ごく普通に学び、働き、遊んできた人がほとんど。しかし差別することによる優越感や満足感、差別する者同士の連帯感などを味わってしまうと、そこから抜け出せなくなってしまう。
「在日特権」などという言葉は全くのフィクション、でたらめ。
在日外国人に「特権」などあるはずがない。にもかかわらず、その言葉を鵜呑みにして「在日特権」を叩く。そうすることによって「在日」ではない誰かが持っているかもしれない「特権」を暴き、ぶち壊してやりたいという欲求が「在特会」のメンバーにはあるように見える。
自分は何かを奪われている。その奪われたもので誰かが得している。その「誰か」が根拠もなく「在日」だと位置付けたのが「在特会」。
この人たちは醜悪な差別運動を市民運動に仕立てた。

・・・などなど学びました。