「ジェンダーの視点から目指す核兵器廃絶~戦争が強いる『らしさ』とは~」
数日前の話になってしまいましたが、「埼玉反核医師の会」総会記念講演に参加させていただきました。
講師はGeNuine代表の徳田悠希さん、テーマは「ジェンダーの視点から目指す核兵器廃絶~戦争が強いる『らしさ』とは~」でした。

徳田さんは2001年生まれの24歳です。
高校の修学旅行で広島に行き、自分も核兵器廃絶のために何かをしたいと思うようになりました。でも広島や長崎の在住でもなく、若い世代の徳田さんが活動する場はなかなか見つかりませんでした。友だちに話しても、「私たちの問題ではないよね」と言われてしまいました。
そこで出会ったのがジェンダーでした。
徳田さんは2023年にニューヨークで開催された、核兵器禁止条約締約国会議に参加しました。
そこには若い人がたくさん集まっていて、ジェンダーに関して世界的に活動する人々も参加していました。
確かに、核兵器は究極の暴力です。核兵器の問題をジェンダーの文脈でとらえ、若い人も関心の高いジェンダーの切り口を日本で提供していくことに意味があると感じた徳田さんはGeNuineを立ち上げました。
今では20代~30代を中心に、全国にGeNuineのメンバーがいます。
また、連続講座「交差するジェンダーとせんそう」を開催しています。
戦争にはジェンダー観が利用されてきました。男性は徴兵され、「男なら戦え」。そして女性を守れ。女性は「日本国民を生み育むべき良き母」「家を守るべき良き主婦」が求められました。
女性の生き辛さだけでなく、男性の生き辛さもまた変えていかなくてはなりません。そして、今はどうなのでしょう。
日本人ファースト、女性にライフプランを提供などなど、歴史とオーバーラップしているのではないでしょうか。
昨年8月、NHKスペシャルで「グラウンドゼロ 爆心地500m 生存者たちの"原爆" 証言と科学で迫る極限の真実」が放送されました。
爆心地から500mの地域は生存は不可能と言われますが、実は78名の生存者がいたことがわかっているそうです。
女性は29名、男性は49名で、男性の方がかなり多いのです。
徳田さんは専門家の方にこの男女差をどう考えるかを聞いてみたそうです。生存者はコンクリートの建物の中や地下鉄、満員電車の中にいた人が多かったそうです。また年齢が高いほど生存率が高くなる傾向があるそうです。
建物の中で仕事をしていた人の多くは、年齢の高い男性だったのではないでしょうか。
そう考えた時、本当に原爆は無差別だったのでしょうか。被害の形に差がある。その事実を80年前の文脈で考えなくてはいけません。
また原爆の長期的な健康被害を考えた時、出生時に性別を女性と割り当てられた人の方が男性と割り当てられた一折も放射線感受性が高く、発がんリスクが高い傾向があるそうです。
核兵器禁止条約の前文には、「核兵器の壊滅的な帰結は、適切に対処できないものであること、国境を超えること、人類の生存、環境、社会経済的な発展、世界経済、食料の安全及び現在と将来の世代に重大な影響を与えること、並びに女性及び少女に不均衡な影響(電離放射線の結果としての影響を含む)を及ぼすこと」、「女性及び男性の双方による平等、十分かつ効果的な参加は、持続可能な平和及び安全を促進し及び達成することにより不可欠な要素であることを認識し、女性の核軍縮への効果的な参加を支援しかつ強化することを約束し」と書かれているそうです。
こうした事実をみても、核兵器禁止をジェンダーの視点でとらえることがとても重要だという徳田さんのお話し。今まで思ってもいなかった視点で、とても斬新で、若いパワーを感じるお話でした。
そうそう、我が家でよく見かける人が司会進行をしていて、それもオドロキでしたΣ(・ω・ノ)ノ!
