ノスタルジーに浸るドライブ

2022年11月23日

所用で名古屋に行ったついでに車を借りて足を延ばし、中学生までを過ごした愛知県の山の中のまちに行ってきました。
岐阜県と長野県との県境、山ばかりのまちです。
2月に母が亡くなった時、中学を卒業と同時に離れて以来ほとんど行ったことがなかったそのまちが妙に懐かしく、もう一度行ってみたくてたまらない気持ちに駆り立てられました。
特に子どもの頃母と一緒に毎日通った父の職場、山の中の石切り場がどんなところだったのか、自分の記憶通りの場所だったのか、今どんな風になっているのか、どうしてももう一度見てみたいと思ったのでした。

父の石切り場は当時私たちが住んでいた家からは恐らく5キロ以上あり、しかも急な山道を登っていかなくてはなりませんでした。
その石切り場に小学校に入学するまで、毎日のように母に手を引かれて歩いて通ったのでした💦
毎日毎日、行くのはとっても嫌でしたが、行ってしまうと川でイモリを追いかけて遊んだり、秋にはアケビを好きなだけ採って食べたり、案外楽しく過ごしていたような気がします。
愛知県の「岡崎石」はとても有名らしいのですが、当時その石を採掘していたのは私の田舎の山々だったそうです。
山には石切り場がたくさんあって、車道からもお父さんたちが働く姿がよく見えたものでした。
当時、石工人口、多かったと思います。

何十年ぶりかでその山に行き、景色が全然変わってしまったことにまず驚きました。
石切り場はもうどこにもありませんでした。山は石山ではなく、きれいに植林された山になっていました。
当時は道路は舗装されてなく、砂利道でした。
父の石切り場を探しましたが、全くわかりませんでした。
山の頂上は以前は大きな公園があり人々の憩いの場でしたが、その景色も一変していました。
ノスタルジーに浸りつつ、もう自分の知っているまちではないんだなぁとの淋しい気持ちも半分。
両親が石を切り出している間姉と2人で遊んだ川は記憶していたよりも急流で、こんなところで子どもだけで遊んで、よく事故が起きなかったものだと感動してみたり。
所々に石を切り出した後の石肌がむき出しになっているところがあって、やっぱりここは確かに石山だったと感じたり。
そして紅葉がとても奇麗でした。 

その後、少し町の中をドライブしてみました。
私が卒業した小学校はもうはるか昔に廃校になり、今はもうありません。
跡地はどうなっているのだろうと思って見に行くと、私が小学校1年生の時に完成した体育館が残っていました。
もうかなり年季の入った建物になっていましたが、中には卓球台が置かれていて、今でも使われているようでした。
ゲートボールのスティックやボール、ゲートも置かれていて、地域の憩いの場になっているように思われました。
小学生・中学生だったころ、毎週日曜日掃除に通ったお宮さんは今でも健在でした。

小さなお子さんがお母さんと一緒に遊びに来ていて、「遊びに来たの?」と聞くと「学校で遊んでから、おやつ食べるの」と教えてくれました。
学校はもうとっくになくなってしまったけど、地域のみなさんにとっては今でもここが「学校」なんだと思うと、言葉にしきれない温かい気持ちになりました💕