外務大臣と首相がまともに働く国を~ダニー・ネフセタイさんのお話
この数日は、合間を見ては20日の戦争展のダニー・ネフセタイさんの記念講演のテープ起こしをしていました。
話題は多岐にわたり、いろんなことを膨大に話してくださったので、結構大変な作業でした。
起こした文章を要約して、議員団が隔週で発行している『新吉川』の記事にまとめました。
イスラエルでの3年間の兵役
イスラエルには徴兵制があります。
イスラエルの徴兵制の特徴は女性も徴兵されることで、男性は3年間、女性は2年間兵役につきます。
ダニーさんも18歳で空軍に入り、戦闘機のパイロットを目指しました。
「この戦闘機を乗りこなせるようになれば、イスラエル中の子どもが毎晩安心して眠れる」と言われ、「よし、頑張ろう」という気持ちになりました。しかし頑張れば頑張るほど、パレスチナ地区の子どもたちは不安で眠れなくなるということがわかるまで、時間がかかりました。
戦闘機に乗ることはカッコいいか?
当時のダニーさんは、戦闘機に乗る自分を「カッコいい」と思っていました。
しかし後々考えると、カッコいいものではありません。
戦闘機にできることは「人を殺すこと」「物を破壊すること」の二つだけです。
イスラエル人にとって戦闘機はカッコいいものですが、パレスチナのガザ地区の子どもたちにとっては「人を殺す機械」としか思えません。
防衛予算2倍化を要求するのは、自衛隊ではなくアメリカ
アメリカが独立したのは1776年でした。
独立から246年の歴史の中で、アメリカが戦争に関わってないのは20年しかありません。
226年も、アメリカは戦争に関わっているのです。
世界一の武器輸出国アメリカにとって、戦争がないとアメリカの経済が回らなくなり困るのです。
日本も防衛費をGDP比1%から2%に上げるという話があります。
不思議なことの一つは、防衛費増を要求するのは自衛隊ではなくアメリカだということです。
武器の輸出をしているアメリカが「もっと武器を買え」と要求するのは、自国が儲かるのだから当然です。
国民を戦争に参加させるのは簡単なこと?
ナチ党の最高幹部だったヘルマン・ゲーリングは、ニュルンベルク裁判で死刑判決を受けましたが、執行される前に自殺してしまいました。
彼は戦争について、大切な言葉を残しています。
「もちろん普通の人間は戦争を望まない。(中略)国民を戦争に参加させるのは、常に簡単なことだ。(中略)とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者が愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」。
イスラエル軍の死因の約半数は自殺
2019年のイスラエル軍隊の年間死亡の45%が自殺です。
イスラエルは独立記念日に花火をあげていましたが、やめるところが増えてきました。
花火で戦争を思い出すからです。PTSDをこれ以上増やさないために戦争をやめるのではなく、PTSDに配慮して花火をやめる、PTSDを増やさないためにどうするのかまで話が行きません。
本当に平和を望むなら
本当に日本が平和を望むなら、日本はすばらしい道具を二つ持っています。
一つは日本国憲法、もう一つは世界唯一の戦争被爆国であることです。
「私たちは原爆の恐ろしさを知っている」「核兵器は絶対にダメだ」と言えるのに、日本の首相は言いません。
その代わりにF35戦闘機・イージス艦などを購入して国民を守ると言っています。本当に残念です。
外務大臣と首相がまともに働く国を
戦争と原発の共通点は少しの人の利益のため、大勢の人が犠牲になることです。
「自然災害に備えるように、他国からの攻撃に備える必要がある」と発言した政治家がいます。
これは嘘です。
自然災害は止めることはできませんが、他の国からの攻撃は止めることができます。
備える必要は何もありません。
外務大臣と首相がまともに働けばよいだけの話です。
家具職人として目指すもの
家具職人として目指すのは、100年使える家具を作ることです。
100年かけて育った木を使って、使い捨て家具を作るのは木に対して失礼だと思うからです。
もう一つ目指すのは次世代がこの地球に住めるようにすることです。
どんなに長く使える家具を作っても、次世代が地球に住めなければ意味がありません。
親たちから受け継いだ地球を、そのまま子どもたちに手渡すことが私たち大人の役割だと思っています。