「少子化対策と真逆の政策では?」~水道料金の値上げ
3月議会では、水道料金の値上げが決定されました。
市は値上げの理由について
- 老朽化した水道施設や、耐震性の劣る石綿セメント管などの更新に多額の費用が必要 。
- 節水意識の向上等により、水道使用量の減少が見込まれる 。
としています。
改定のポイントは下のスライドの通りです。
これまでの「基本水量」を廃止し、電気料金のような料金体系が導入されます。
電気料金が契約しているアンペアの大きさによって基本料金が変わるのと同じように、水道料金は水道管の口径によって基本料金が変わることになります。
多くの家庭の水道管の口径は13mm又は20mmとのことです。
最近の家はほとんどが20mmだそうです。
基本料金+使用量でそのご家庭の水道料金が決まります。
このような設定にすることによって、高齢独居などあまり水を使わない世帯の負担を抑えることに市も尽力をしたとの説明でした。
先日ある方に呼び止められました。
そのご家庭は3世代同居で、お孫さんも複数いらっしゃるとのことで、水の使用量が元々とても多いのだそうです。
そういうご家庭の改定率は24.8%で、これは非常に大きな負担増!!!
水道料金だけで5万円以上になってしまうことが予想されます。
「少子化対策」と言いながら、子どもがたくさんいる家庭の負担が非常に重くなる!!
そんな社会で安心して子どもを産めるのか!
言っていることとやっていることが違う!!
それじゃぁ、子どもを産む人はもっと減っていってしまうんじゃないのか!!
本当に、おっしゃる通りだと思います。
そもそも、老朽化した水道施設や耐震性に問題のある石綿管の布設替えの費用を水道料金で賄おうという発想に非常に問題があるのではないでしょうか。
昨今の日本では「受益者負担」という考え方がすっかりと広がってしまっています。
水は命に直結するもので、安全な水を提供することは本来国と自治体の責務だと思います。
使った水の料金を支払うことは当たり前のことかもしれませんが、水道施設や水道管の耐震化は国や自治体が責任をもって実施するべきものではないでしょうか。
水道料金に頼るのではなく、公費で賄うべきものだと思います。
そういう意味で、私たち共産党議員団は値上げには反対をしました。
ただそうは言っても、水道管の耐震化は非常に重要です。
最近、地震が頻発しているように感じますし、首都直下型の地震だっていつ起きるかわかりません。
石綿管の布設替えは、当初の計画では平成30年度代に終了することを目途としていました。
ところが今は令和14年までに終わることを目標としています。
3月議会の遠藤議員の質問に対し、布設替えの残りは約22kmと答弁しています。
そして昨年の9月議会建設生活常任委員会で、飯島議員の質問に対して完了までにあと40億円かかると答弁しています。
今回の値上げに伴い、市は5年間で61億円の施設更新費を予算化しています。
そして5年後に布設替えがどこまで進んだかも含め、相対的な見直しをするとのことです。
水道料金を値上げすることによって、初めて国の補助金も取れたとの報告もありました。
それで耐震化・布設替えが完了すると良いのですが。