『100日で収束しない日本のコロナ禍』

2021年09月14日

この本、スゴイです。
『100日で収束する日本のコロナ禍』(ぼうごなつこ作 扶桑社)。

全編コロナで貫かれた風刺漫画です。よくこんな本が出版できたものだと、感動です。
元々は『100日で収束する新型コロナウイルス』と題してTwitterに連載していたものを一冊にまとめ、出版した者とのことです。

  • 横浜港に入港したダイヤモンドプリンセス号。下船は感染対策 ばっちりなバスからの・・・まさかの横浜駅解散。
  • ブレーキとアクセルを踏みながら、あるいは同時に踏むこともあるのだろう。「私自身、悩みながら判断している」(菅首相)。問題は...ハンドルを握っていないことだった!!!
  • 新型コロナ対策は火消しに似ている。初期に発見できるほどそれ以上は広がりづらく、勢いが増すほど止めることが難しくなる。日本政府は消化どころか、利権欲しさに炎上させた(@ ̄□ ̄@;)!!
  • 感染者急増により大都市を中心に医療崩壊。菅総理の出した解決策は、国民皆保険制度の見直しであった!あー、自費診療にすれば病院から貧乏人を追い出せるし、財界や外資も「ビジネスチャンス」と大喜びで一石二鳥。国民が苦しむときに国民に牙をむく、これが菅総理及び政府与党の姿である。

・・と、こんな感じの風刺がずっと続きます。
とても鋭く、絵も面白く、そして真摯にコロナに対応した人々もちゃんと描いています。

全国でこの30年ほどの間に保健所をほぼ半数に減らしましたが、和歌山県ではあまり減らしませんでした。昨年4月には保険部門と福祉部門とを分離し、職員がコロナ対策に集中できる体制を整えました。感染者の早期発見と接触者への積極的な検査・早期隔離は「和歌山モデル」と呼ばれました。
国の通達よりも理論的な正しさを優先し、理論的におかしい場合は独自の対策を講じました。

福井県の杉本達治知事は全国的にマスクが品薄だった昨年4月、マスク購入権を全戸配布して品薄状態を解消したそうです。
福井県医師会と連携して、希望する妊婦さんも含めたPCR検査。全国で初めて、感染者の一時生活施設を開設。更に民間ホテルにも施設を拡大して、療養の質を高めたそうです。発熱外来をいち早く開設し、労災非適用の小規模事業者に10万円給付。コロナ患者に対応する医療従事者に、一日最大4,000円の手当。
県の幹部と医師会会長・看護協会会長が原則1週間に一度ミーティングを開き、情報を共有しているとも。

その他インターパーク倉持呼吸器内科の倉持先生、明石市の泉市長、寝屋川市の広瀬市長、島根県の丸山知事、墨田区の保健所長などの温かい取り組みや発言が紹介されています。
こんな温かい取り組みをしていた自治体があったのかと、初めて知った話もいくつかあり、国民のいのちを蔑ろにして自らの保身と利権ばかりを考える菅自公政治との差に圧倒されました。

こういう政府批判の風刺漫画が出版されるところに、出版界の健全さを感じました。