馬毛島軍事基地建設の問題

2023年05月03日

憲法記念日の今日、有明防災公園で開催された「新たな戦前にさせない!守ろう平和といのちとくらし 2023憲法大集会」に参加しました。

これまでの憲法集会でもたくさんの学びをいただきましたが、今年もまた多くの学びがありました。
リレートークでは、基地建設が進められる馬毛島のすぐお隣の島、種子島に住む「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」副会長・前園美子さんから基地建設についてとても大切な訴えがありました。
ご紹介します。 


種子島は鉄砲伝来の島。世界一美しいロケット発射場の島として知られている。
種子島から西へ12キロ沖合に馬毛島という無人島がある。
政府はこの馬毛島に、米空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)を恒久的に行うことを目的とした自衛隊基地をつくろうとしている。
種子島からわずか12キロの馬毛島で基地が建設されるとしたら、静かな種子島で暮らす私たちはその轟音・爆音に生活が脅かされ、平和に暮らしている島の生活は根底から壊されることになり、私たちは到底馬毛島基地建設を容認することはできない。

馬毛島新基地では、米軍FCLPだけでなく自衛隊も参加する激しい訓練が年間130日も行われ、各種航空機は1日平均180回も訓練をすると想定されている。
本年1月12日、防衛省は環境影響評価を公告、即日馬毛島基地建設本体工事に着手した。
今種子島では、基地建設が着々と進んでいる。
基地建設に係る工事関係者が、4月1日時点において種子島で810人。内550人が市外からの流入者。急激に人口が増えたことにより、地元では様々な問題が起きている。

工事関係者が住む住宅を確保するために、空き家があっという間になくなった。
絶対数が不足することから高い家賃を払ってでも貸してほしい工事請負業者が家賃を吊り上げ、地元のありとあらゆる住宅が2倍・3倍と家賃が高騰し、2Kの住宅、7万円だったものが30万円まで高騰しているという情報もある。
高くなった家賃を払えず、退去勧告を受けたという人もいる。
ホテルや民宿も抑えられ、観光関係者は宿泊先の確保がままならなかったとの話もある。

学校関係者からは通学路に大型トラックが往来し、児童生徒に交通事故が起こらないかと懸念している。
4月に入ってからは警察が、不審者による未成年者への声かけ事案に注意喚起を呼び掛けている。
急激に人口が増え、工事関係者は住民票も移さないことから地域の自治会にも加入せず、ごみの分別も十分でないことから、ごみ収集業者はルールに基づいてゴミを収集せず、収集場所に放置されたままになっている。
ゴミの処理能力も今の人口で満杯。工事関係者は最大で4,000人にも上るとされ、その時のゴミの問題を防衛相はどのように考えているのか。
当然のことながら廃棄物の処理には税金が投入されている。
西之表市に住民票を移さず、税金を払わない工事関係者のごみ処理をどのように考えているのか。

基地ができれば爆音が轟く島になり、目の前の馬毛島で戦争の練習をしている。
ことが起きれば標的になるかもしれない。

まっぴらごめん。

基地建設反対!と声を大にして私は言いたい。
でも、思いを同じくしていても声を出せない人もいる。
「夫の勤め先が、子どもの勤め先が基地建設推進派だから」「基地建設推進派の子どもの前で、親子の間で基地建設のことには触れたくない」「夫婦の間で基地建設の問題には触れたくない」、そんな声をよく聞く。
基地建設が進む中で、市民の中にはいくばくかの利益を得る人もいる。
再生交付金より地域が活性化すると期待する人もいる。

基地ができることで一番怖いことは、豊かな自然・静かな環境・穏やかに人が暮らす環境を壊されることよりも、基地建設反対・推進の間で人間関係がぎくしゃくし、市民の間に分断が生じることかもしれない。
米軍施設に反対する市民・団体連絡会では、米軍FCLPを目的とする自衛隊基地建設に地元の合意なしに強引に進めようとする政府・防衛省に対し強い憤りを覚えている。

馬毛島に軍事基地はいらない、日本のどこにも軍事基地はいらない。
中国に対する脅威力・抑止力だと国は言うが、そこは外交努力でこそ解決するべき問題ではないか。

市民団体連絡会の力は小さいかもしれない。
しかし「水積もりて川を為す」と言う。
憲法集会に御参集のみなさんの力を結集し、軍事基地反対の大きなうねりをつくっていこうではないか。

どうか力を貸してください。

とても大切なお話を聞くことができ、良い憲法集会でした💖