「役に立つ人」と書いて「役人」

2021年03月31日

今日は、以前市役所で働いていたという方から色々とお話を伺わせていただきました。
すごくおもしろかったです。

かつて吉川市の市長だった深井誠さんは、先見の明があり、また「住民のために」という思いがとても強い方だったとのこと。
吉川市を走る鉄道はJR武蔵野線一本だけで、駅もかつては「吉川駅」一カ所のみでした。
「吉川美南駅」が開業したのは2012年。
その20年も前の平成4~5年ころから新駅をつくる動きがスタートしていて、当時の深井市長は「99%ダメでも、残りの1%に望みをかけて頑張れ」と職員を激励していたとのお話。
吉川市と越谷市の間を走る中川、そこに架かる「吉越橋」。
普段から何のためらいもなく「吉越橋」と呼んでいますが、この橋を造るとき「絶対に吉川を上にするんだ」「越谷に負けるな」とおっしゃったのも深井元市長で、それで「吉越橋」という名前になったとのお話でした。
そうしたことが市の発展につながるという信念の中で取り組まれてきた・・・。
そういう市長のもとで、「市民の役に立てるように頑張ろう」という気概を持った職員が次々と生まれてきた・・・。
そんなお話でした。
熱く語られる口調から、職員としての気概、ロマンを感じました。

農業施策についても問題意識もお聞きしました。
市内の不耕作農地がどれだけあるのか、それが増えているのか減っているのか。
農業従事者の推移はどうなっているのか。
農家の若者が結婚できているのかどうか。
どういう仕組みをつくれば、農家の皆さんが農業を続けられるのか、不耕作地をこれ以上増やさないために農政はどうあるべきなのか・・・。
色々な視点を教えていただきました。
熱い思いがほとばしるお話でした。

「あぁ、そういう気持ちで皆さん、お仕事されているんですね」と話したところ、「当然だ。役に立つ人と書いて役人。住民のために尽くして、役に立ってこその役人だ」とのお言葉でした。
感動したなぁ💖

それから、本当に気骨のある、勇気ある職員というのは市長にもはっきりと意見を言う職員だと教えていただきました。
市長が「やりたい」ということと、実際に財政的に予算的にそれができるかどうかは別のこと。
できないことをできないと言える職員こそ本当に大切な人で、自分に意見を言ってくれる職員に感謝し、その人を大切にする度量があることが市長としての大切な資質だとも教えていただきました。

そういえば、3月19日の3月議会最終日、この3月いっぱいで定年を迎える部長3人からの退職の挨拶がありました。
その中で感動したのは、政策室長のお話でした。
大学卒業後吉川市役所に入庁し、その後(多分暫くして)県庁に出向した時期があったとのこと。
その時に浦和市の職員がとても優秀だと感じ、以後「追いつけ追い越せ、浦和」を胸に仕事を続けてきたとのことでした。
とても温厚な印象の方だったので、そんな気持ちだったのかととても胸を打つお話でした。

職員の皆さんがどんな気持ちで働いているのかを知ることは、とても意味のあることだと感じます。
国の大きな方向性がある中で、地方自治権を守りながら住民に一番近い場所で仕事をされている皆さんです。
ある意味では板挟みになる場面もあるでしょうし、その中でそれでも住民にとって最も良いように、住民の役に立つようにと働く皆さんの思いの一端を知ること、とても大切だと感じます。
私たちは市議会議員で市民の要望を市に伝えることが役割ですが、どちらも胸にあるのは「住民にとってより良い」ということだと共有できることに意義を感じます。