ジェンダーギャップの問題

2021年04月03日

3月31日のしんぶん赤旗の記事「朝の風」に、こんな記事が掲載されていました。

古代女性のハンター。
約9000年前の南北アメリカ大陸では女性のハンターは例外的な存在ではなかったという、考古学の研究結果があるとのことです。女性の骨が、狩猟道具とともに埋葬されている例が多数確認されているとのこと。
「シカを追っている最中に立ち止まり、赤ん坊に授乳することはできないもの」と、これまで学者たちも信じて疑うことがなかったけれど、狩猟採集時代に子育てが本当に女性だけに任されていたのか?
化学研究の成果は、私たちの偏見に修正をせまっている・・・。
そんな内容の記事です。

面白かったので、日経の情報サイトの記事も読んでみました。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/110600646/?fbclid=IwAR0evdEFzJzX_QjXHxSTI728JUgnw0Vdia9IItls8fYpU2ojS_mupYwneT8

20年ほど前、「話を聞かない男 地図を読めない女」という本が流行りました。「その違いは脳にあった」との副題がありました。
細かなことは覚えていませんが、男性は狩猟が仕事で遠くまで狩りに出るので、集団に戻るためには帰巣本能が発達していて、当然地図が読める。けれど、狩猟には言葉はそれほど必要がない。一方女性は男性たちが狩りに出ている間に集団を守ることが仕事であり、そのためには情報収集が欠かせず、おのずとコミュニケーション能力が発展していった・・・。
そんなようなお話だったと思います。
とても理論的ですっきりと整理されていて、私はこの本を読んだ時からずっと、この内容を信じ込んでいました。

今回のしんぶん赤旗の記事、日経情報サイトの記事、どちらも目から鱗というか…(@ ̄□ ̄@;)!!
そりゃぁそうだよなぁ!と思いました。
運動能力が非常に高く、狩猟に向いていた女性もきっといたはず。
逆に集団の中にいて、子育てをしたり採集をしたりしている方が性に合っていた男性だってきっといたはずで。
男性だからこれをしなくてはいけない、女性だから・・・。
と、性別で役割を分けること自体、とてもおかしなこと。
・・・と思っている自分の中にも「男は狩猟」「女は採集」という意識が根強くあって、「性的役割分業」という意識があるということに気づき、ハッとさせられた記事でした。

世界のジェンダーギャップ指数が発表されました。
昨年、日本は世界156か国中121位でした。
今年は一つだけ上がって、120位です。
でも、上がったのはたったの「1」です。

なぜ日本のジェンダーギャップ指数は上がらないのか。
政治分野での男女の格差、女性議員の少なさ、選択的夫婦別姓の遅れなどが特に指摘されています。
そういえば3月議会の建設生活常任委員会で、同僚の飯島正義議員にお願いして、こんな質問をしてもらいました。
例えば国民健康保険の通知の問題です。我が家は私は国保加入者ですが、パートナーは社会保険に加入しています。でも、国保の通知は私宛にではなく、世帯主であるパートナー宛に来るんです。
昨年のコロナ対策、特別定額給付金も申請書類は世帯主であるパートナーのところに来ました。給付金もパートナーの口座に振り込まれ、私はパートナーに「ありがとう」と言って受け取りました。
我が家だけでなく、多くの家庭で同じことが行われていると思います。
行政が通知を世帯主に送ることが、女性がまるで男性の従属物であるかのような印象を煽っているのではないか・・・。
飯島議員に質問してもらったのは、このことでした。
市の答弁は、住民登録の際世帯主は選ぶことができる(男性が世帯主とは指定していない)というものでした。

この答弁を聞いて、悩みました。
我が家の登録を修正して、世帯主をパートナーから私に変更すれば良いだけの話なのでしょうか。
例に挙げたのは我が家の話ですが、決して我が家だけの問題ではなく、この間特に特別定額給付金の給付にあたっては社会的に大きく問題視されたものだと思っています。

日本のジェンダーギャップ指数を上げるためには、私たち一人一人の中にある意識も変えていかなくてはだめだし、社会の仕組みそのものも変えないとだめだと感じています。