『みんなに知ってほしい!性犯罪に関する刑法の今とこれから』

2020年07月03日

一昨日の話になりますが、遅ればせながら私もいよいよオンラインイベントにデビューです(⋈◍>◡<◍)。✧♡
ヒューマンライツナウさん主催、『第一回〜クラファン応援〜みんなに知って欲しい!性犯罪に関する刑法の今とこれから』。
ライターの小川たまかさん、ヒューマンライツナウ事務局長の伊藤和子さん、一般社団法人Voice Up Japan代表の山本和奈さんがそれぞれの立場から、性犯罪に関する刑法の問題についてお話してくださいました。
伊藤和子さんは、以前ご紹介した『なぜそれが無罪なのか』の著者さんです。

小川さんが報告された事例の中に、こんな話がありました。

被害者は、両親が離婚し、母親と暮らす14歳の女の子。
離婚したのは女の子が8歳のときで、6年ぶりに会った父親から被害を受けたのです。
驚いた娘さんは「パパ、ちゃんと話そうよ」と言ったそうです。
加害者である父親は、娘のこの言葉を聞いて「娘が同意した」と受け止め、行為を進めたとのことです。
そしてこの事件は「暴行脅迫がない」ことから、強制性交罪には当たらないとされたそうです。
2017年の刑法改正で「監護者わいせつ罪」が新設されました。
加害者が監護者で被害者が18歳未満の場合、「暴行脅迫」要件がなくても罪を問えるというものです。
しかしこのケースでは、親が離婚し別居していることから、監護者わいせつにも問われなかったそうです。
この刑法は、被害女性を全く救うものではないと改めて強く思います。

日本の刑法では、性的同意年齢は13歳とされています。
「性的同意」とは、「その人とセックスをするかどうかを判断できる」という意味です。
しかし日本の義務教育ではセックスについては教えていません。
それなのに、刑法では「考えられる」「判断できる」とされているということには、あまりにも大きな矛盾があります。

強制わいせつの時効は7年、強制性交は10年です。
強制性交に致傷罪が加わると、時効は15年。
致死が加わると30年とのことです。
例えば6歳児へのわいせつ行為は、その子が13歳で時効を迎えてしまいます。
特に子どもが被害者の場合、その被害に気付くまでには時間がかかります。
7年で時効となってしまうと、その被害に気付く前には時効が成立してしまいます。
これも大きな矛盾です。

2017年、刑法が110年ぶりに改正され、性暴力被害についても一定の前進がありました。
しかし積み残された課題がたくさんあり、今年はその見直しの年とされています。
しっかりとした、科学的な見直しがなされ、こうした性暴力の問題について正当な対応がされる社会になることを心から期待します。

1時間半のイベント、とても充実したものでした。
たくさん勉強できました。
ヒューマンライツナウさん、ありがとうございました。