コロナ禍で住民の暮らしを支える自治体労働者のお話

2022年07月24日

自治体学校IN松本、初日に行われたリレートーク「コロナ禍最前線―住民の暮らしを支える自治体労働者最前線」、素晴らしい内容でした。
静岡自治労連医療部担当の中村恵美子さん、名古屋市職員労働組合福委員長で保健師の塩川智代さん、吹田市職員労働組合副執行委員長の寺坂美香さん、神奈川県自治労連書記長の政村修さんからそれぞれ報告がされました。
コロナ禍で医療従事者のみなさんが、子どもたちが学校で差別を受けはしないかと風評被害に悩みながら仕事にあたったこと。夜勤明けのタクシーで乗車拒否されたとか。
看護師の娘を持つ母は、娘の感染リスク→お母さんの感染リスク→お客さんの感染リスクを考慮してお店を閉じたとか。
小さなお子さんを持つ職員の方は、家族に感染させないようにしばらく仮眠室で暮らしていたとか。
ある看護師さんは自らが感染したことでおじいちゃんに感染させてしまい、重篤な状態のおじいちゃんに「ごめん・・・」と電話をかけていたとのお話もありました。それを見ていた同僚は、「重い十字架を背負って生きていくんだね」と話していたとか・・・。
胸の痛む、生々しいお話がたくさんありました。
でもそういう中で正しい感染対策の知識を広げることに力を尽くした、医療従事者ならではの取り組みに深く感動でした。

名古屋の保健師さんのお話は、この2年余りのコロナ禍の中でそれなりに対応・対策が進んできたものもありますが、介護の問題は非常に大きいと問題提起されました。
訪問診療や訪問看護にはそれなりに高い報酬が設定され、対応する事業者も増えてきているそうです。
が、訪問介護やデイサービスなどでの対応は困難な状況が続いていて、認知症で一人暮らしで、毎日デイサービスを利用して在宅療養をかろうじて維持しているような方が感染してしまった時の支援の難しさが語られました。
またコロナ禍での妊娠・出産・育児の困難さも語られました。確かに他人と会うことができない・集まることができない中で、初めての妊娠・出産・育児だったら、どうやって情報を集めたらよいのか・・・。

コロナは単に感染の問題だけでなく、医療従事者のメンタリティや介護や子育て、多くの人の人生の質につながる問題だと改めて学びました。
また自治体労働者も私たちと同様に政府のコロナ対策には多くの不備を感じながら、それでも目の前の住民福祉の充実・サービスの向上・感染対策に奔走していただき、ここまで乗り越えてきたのだと学びました。
非常に意義深く、重いお話をたくさん聞かせていただきました。
お話くださったみなさん、ありがとうございました。