ルフィの命日

2022年01月17日

明日、1月18日は我が家の初代愛犬、ルフィの命日です。
8年前、ルフィは12歳でこの世を去りました。

吉川に引っ越してきたとき、次男は9歳、小学校3年生でした。
引っ越しのため私の職場が遠くなり、中学2年生だった長男は転校せずにそのまま以前の中学校に通ったため、学童に通うことを強く拒んだ次男は一人で家で過ごす時間が増えてしまいました。
以前住んでいた地域には次男に「いつでもおいで」と言ってくれる友人がたくさんいましたが、引っ越したばかりの地ではそうもいきません。
せめてもの次男の遊び相手に・・・、そんな気持ちで飼い始めたのがルフィでした。

ルフィは体重わずか2キログラムの小さな犬でしたが、我が家ではなかなかの存在感を示しました。
去勢をしなかったせいか男性ホルモンが旺盛で、隙あらば家の中でもマーキングしようとして手を焼きました。
一番困ったのは、外が大好きでほんのちょっとした隙に外に飛び出して行ってしまうことでした。
そのころの私はいつもルフィと追っかけっこというか、長距離マラソンをしていました💦
忘れられないのは私もパートナー君も仕事で帰りが遅くなり、次男君は塾、長男君はすでに家を出ていたある日の夜、義母が泊まりに来ていたのですが、義母の隙を見てルフィが外に出てしまった時のことでした。
私が家に帰りルフィの姿が見えなかったので発覚したのですが、いつからいなかったのか、どこに行ってしまったのか全く分かりませんでした。
次男君と二人で暗闇の中を探したのですが見つからず、不安な一夜を過ごしました。
翌朝次男君が早起きをして探しに行き、すぐにルフィを連れて帰ったのでまたまたびっくりしました。
親切な方が夜のうちにルフィを保護してくださって、「飼い主が探しているに違いない」と早朝から永田公園にルフィと一緒に飼い主を探しに来てくださっていたとのことでした。
本当にありがたく、安心し、次男君を頼もしく思ったエピソードでした。

そんなことを繰り返しながらルフィは次第に年をとり、少しずつ衰弱していきました。
亡くなる半年ほど前から、ルフィは暇さえあれば私の膝に乗りたがりました。
そのたびに私は、「ルフィ、何してるの?」「おかあさんは忙しいんだよ」と言って膝からおろしていました。
今思えば、乗りたいだけ乗らせてあげれば良かったなぁと悔やみます。
その頃撮った写真のルフィは上世の国に近づいたというか、何か神々しい印象を与えます。

ルフィは最期までルフィらしく、外が大好きでした。
もういよいよ最期だろうと思った日、その日が本当にルフィの最期の日となりましたが、ルフィはやっぱり散歩に行きたがりました。
「行くの?」と聞くとゆっくりと玄関まで歩いていくのですが、玄関のわずかな段差を降りる力がありませんでした。
「行かないの?」と聞くと、「行く」という素振り・・・。
抱っこして段差をおろしてあげると、嬉しそうに歩き始めました。
我が家の周辺、ほんの数十メートルのところをこの世に別れを告げるかのように、大地を愛しむかのように、ルフィはゆっくりと匂いを嗅ぎ、時間をかけて歩きました。
その時、小学校1年生と思われる男の子が二人ルフィに声をかけて、「かわいい💕」と言いました。
「何歳ですか?」と聞かれて12歳と話すと、「俺の兄ちゃんより年上だ~」と言いながらルフィの頭や背中を撫でてくれました。
間もなく死のうとしている子なのに、犬の年齢ははた目には見えないんだなぁと妙に感動したことを覚えています。

ご飯が食べられなくなり、大好きなはずのアイスクリームやヨーグルトをあげても見向きもしなくなり、多分間違いなく今晩死んじゃうなぁと思ったその夜、次男がたまごボーロを買ってきてあげると嬉しそうに食べ、これならもしかしたらもう数日持つかもしれないと期待しましたが、その夜ルフィは静かに永い眠りにつきました。

その日は土曜日でした。
翌日曜日、家族4人そろってペットの火葬場に行き、家族全員で恥ずかしげもなく号泣し、ルフィとお別れをしました。
あんなにもみんなで泣いたのは、本当に後にも先にもなかったように思います。
体重わずか2キログラム。
小さな小さな犬でしたが、家族みんなを繋いでくれる存在だったような気がします。

命日を前に改めて、ルフィのいない淋しさを思います。