乳がんで苦しむ女性を一人でも減らしましょう!

2020年01月04日

これまた遅くなりましたが、12月議会で私が行った一般質問をご紹介します。
3点に亘って質問しましたが、今回は乳がん検診の問題についてご報告します。

  ↑(https://dot.asahi.com/dot/2017062300063.htより)

姉が32歳の時、乳がんを発症しました。その時のステージはⅡBでした。
おなかにいた双子の赤ちゃんを諦め、大切な30代は乳がん治療と向き合う日々でした。40代で膝に、50代で肋骨に転移し、60代を目前にもう片方の乳房を失いました。

乳がんの進行は非常にゆっくりだと言われていますが、姉のように進行した状態で発見されると、非常に長い間乳がんと向き合うことを余儀なくされることになりかねません。
早期発見・早期治療こそ大切です。

    資料:国立がんセンターがん対策情報センター2016

今、乳がんを発症する女性が非常に増えています。日本人の乳がんの特徴は、20~30代の若年発症が多いことだと言われています。
このような状況の中で、全国の自治体で30歳からの乳がん検診をマンモグラフィーだけでなく超音波(エコー)検査も併せて実施する自治体が増えています。大阪市では、平成24年度以降のマンモグラフィーと超音波検査の実績をインターネットで公表までしています。
吉川市でも、30歳からの乳がん検診、そして超音波検査との併用をぜひ実施するべきです。
しかし、市の答弁は、本当に残念なものでした。

30歳から乳がん検診を実施することは、メリットだけを考えれば(早期発見の)効果があるだろう。しかし、市町村が行っているのは対策型診であり、国の指針は40歳からのマンモグラフィー。吉川市は国の指針通りに実施していくというものでした。
対策型健診とは、死亡率減少効果を目的として実施する健診です。若年発症が多いとはいえ、全体から見れば罹患者数は少なく、若年者の乳がんを発見しても死亡率減少効果には直接的には繋がりません。
しかし、だからと言って若年者への乳がん検診が必要ないということにはなりません。若い女性の命、人生の質・生命の質という観点から考えるべきだと思います。

若い世代、子育て世代がたくさん転入し、今も人口が増え続けている吉川市です。このまちでこそ、30歳からの乳がん検診の実施が求められているのではないでしょうか。

もう一つ質問したのは、乳房構成の通知の問題です。

日本人を含むアジア人女性は、欧米人と比較して高濃度乳房の方が多く、特に20~40歳代で多く見られる傾向があるとされています。
高濃度乳房とは、乳房内の乳腺組織が多い状態を指します。マンモグラフィでがん組織は白く映りますが、乳腺組織も白く描出されるため、背景の白さによって本来発見されなければいけない腫瘍が隠されてしまう可能性があります。
乳がん検診の結果通知の際、乳房構成についても通知し、高濃度乳房の意味や超音波(エコー)検査の推奨などを丁寧に行うべきです。

市の答弁は、「通知は行わない」というものでした。
しかし、健康を守る主体者はその人自身です。健診で乳房構成を把握しておきながら、それを本人に伝えないとの姿勢には疑問を感じざるを得ません。
乳がんで苦しむ女性を一人でも減らす。
市は、そういう姿勢に立って考えるべきだと思います。