吉川美南駅東口に建設予定の文化芸術関連施設

2021年10月02日

9月議会の一般質問で取り上げた問題の一つは、今開発中の吉川美南駅東口に建設予定の文化芸術関連施設についてでした。
「市では、現在開発中の吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業地内の商業・業務ゾーンの南側街区に、商業施設等との複合施設として文化芸術関連施設を中心とする公共施設を、民間活力を最大限に活用しながら整備することをめざす」としています。

今年7月12日~8月11日、パブリックコメントを募集しました。

パブリックコメントの募集にあたり、市は

基本的なコンセプトを「市民が集い、つながる。文化芸術と賑わい感じる交流空間」。
施設コンセプトとしては

  1. 市民の誇りとなるシンボル施設
  2. 民間施設との相乗効果で賑わう施設
  3. 文化芸術が身近に感じられる施設
  4. 「新たなライフスタイル」と「デジタル」で新たな魅力を生む施設
  5.  将来を見据えた持続可能性と柔軟性のある施設

としました。
具体的に、どのような施設を考えているのか、問いました。

施設内容は現時点では未定。市民や近隣施設の状況や検討委員会でのご意見などから、文化関連機能としてホールや展示ギャラリー、デジタルを活かした情報メディアセンターなどが検討の中心となっているとの答弁でした。

私がこれまで皆さんの声を聞いてきた中で思うのは、音響効果の高い施設が求められていると感じています。市が文化連盟に行ったインタビューの結果がホームページに掲載されていますが、それを読んでも音響設備を求める声はとても強いことがわかります。
ただ、音響設備と一言で言っても、講演会用の音響設備と舞台用の音響設備、音楽用の音響設備は違うと聞いています。そこをどのように考えるかによって、どういう目的の施設かが変わります。市はどのように考えているのでしょうか、問いました。か。 

市の答弁は、「文化関連施設の整備に関する意見の一つとして、市民意識調査や吉川市文化連盟への意見聴取、検討会においてホールの音響に関して「良いもの」「時代に即した音響設備が必要」などのご意見をいただいており、今後施設内容などを具体化していく段階で、中央公民館やおあしすの状況を踏まえながら、ご意見を参考に総合的に検討していく」というものでした。
どういう目的の施設かについては、「具体的に何を対象とかという段階には至っていない 」との答弁でした。
委員会の中の意見でも、中央公民館で年に一回やっている文化芸術祭を、新しいところができればそちらでまた新しい文化芸術に親しむ人が増えるのではないかと、前向きな話も出ているそうです。
例えばお隣の三郷市文化会館は、有名ミュージシャンの全国コンサートツアーの初日が頻繁に開催されることで知られています。越谷市のサンシティも有名人のコンサートもあれば、狂言やバレエ・お芝居や映画なども上演されています。こうした中で、吉川市ではどんな施設を目指していくのでしょうか。
しっかりとしたコンセプトを掲げることが、まず求められると思います。

それから心配に思うのは、採算の見込みです。
例えば名古屋市は、市内16の各区に小劇場を建設して、公益財団法人名古屋市文化振興事業団に委託管理をしているそうです。その事業団が出している令和2年~4年の経営戦略計画を読むと、「事業団の経常収益に占める、名古屋市からの補助金・指定管理料等の割合は平成30年度の実績で約68.3%、名古屋市に依存する財務状況となっているそうです。
吉川市も民間と一緒にやっていくとのことですが、赤字になった時の負担割合をどのように考えるのでしょうか。

市の答弁は、「今回の基本構想案で示したのはコンセプトと民間活力の基本的考え方で、施設の内容や規模までは示していない。だからパブコメへの反応も1件だった。ホームページへのアクセス状況から見て、大きな方向性は市民のみなさんにご理解いただいている」とのことでした。

ただ、私は市民が求める「音響」と市が作ろうとしている音響とは違うような印象を抱いています。
市民のニーズに見合う音響設備の考え方、そして財政的な課題、しっかりとご検討いただきたいと思います。。