学校教育と著作権

2021年06月18日

6月議会に上程された補正予算、教育費の項目の中に「著作権料」がありました。
予算額は898,000円で、決して大きな金額ではありません。
小学生一人につき120円、中学生は180円で、特別支援学級の児童生徒はその半額ということです。

「著作権」というのは、良く聞く言葉です。
著作権法35条ではこれまで、「他人の著作物を利用した教材を紙にコピーして、児童生徒・学生に配布するのはOKとされていました。
しかしそれはあくまでも「著作権法35条の規定の範囲」でOKだったということで、35条には「インターネット経由」というのは想定されていません。
なので、「インターネットを経由して提供するのは授業目的でもNG」ということです。

そこで2018年5月に著作権法が改定され、昨年4月から施行されました。
改定された著作権法では教育機関設置者(教育委員会や学校法人など)が著作権料を支払い、それによってインターネットを利用した著作物の利用が可能になるということだそうです。
著作権料の支払先は、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS=サートラス)という団体です。

サートラスが、集めたお金を各権利者に分配するような形になるそうです。

不思議に思うのは、法改正の時なぜ授業目的ならインターネットを介して得た教材を使用しても良いとされなかったのかということです。
文教福祉常任委員会で、教育に関しては無料で使用できるように求めるべきではないかと質問しました。
実際、文化庁は昨年は無料にしているのです。やろうと思えば、できるのだと思います。
答弁は「作品を作るクリエーターは、著作物に対する対価を生活の糧としているため、適切に対価が還元されることで良い作品の持続的な生み出しが可能となる」「子どもたちと学校が安心して著作物を利用できる仕組みを、継続的持続的に活用させていただくもの」とのことでした。

著作権の大切さはわかります。当然守られるべきものだと思います。
しかし、今進められているデジタルトランスフォーメーション(DX)は、膨大な税金がIT産業などの企業につぎ込まれていくことが問題の一つと感じています。
これまで紙媒体なら自由に使えていた著作物が、インターネット経由だとNGになるからと言ってインターネット経由もOKと法改正をするのではなく、税金から著作権料を支払う仕組みを作る・・・。
とても不思議で、変だと感じるし、納得がいきません💦