教科書採択に向けた活動の成果を感じました

2020年07月27日

来年度から使用する中学校の教科書を採択する、第25採択地区協議会の傍聴に行ってきました。

教科書採択の問題に関心を強くしたのは、一昨年のことでした。
安倍政権の下で、教育の右傾化が不安視されています。
吉川市では中原市長の下で作られた教育大綱が、
「家族を 郷土を 愛し 志を立て 凛として生きてゆく」
というもので、安倍首相の教育政策に追随するもののように受け止めた市民もたくさんいらっしゃいました。
またそれを裏付けるかのように、安倍首相の私的諮問機関であり非常に右寄りだとされている「教育再生実行会議」と関係の深い「教育再生首長会議」にも中原市長は参加していました。
「教育再生首長会議」は「育鵬社」などの、歴史修正主義というか歪曲した歴史を教えようとする人々との繋がりが深い団体です。一昨年1月の会議では『日本教科書株式会社』の道徳教科書の宣伝が行われ、「不当な宣伝活動」としてマスコミで報道されました。
昨年度、中原市長は教育再生首長会議をやめたようです。少なくとも、市の会計から「教育再生首長会議」の会費は昨年来支払われていません。
が、こうした背景もあり、吉川市では教科書採択に注目する市民がたくさんいます。
昨年6月議会には、「吉川市教育委員会及び第25採択地区協議会の議事録の公開性・透明性を求める請願」が提出されました。

教科書採択にあたって、どのような議論がなされ、どのような過程を経てその教科書に決定されたのか、わかるようにしてほしいとの請願でしたが、全員一致で採択されました。
あ!第25採択地区協議会は、吉川市・三郷市・八潮市の3つの市で構成されています。決して吉川市だけの意向で何かが決まるわけではありません。

今年もまた、来年度から使う中学校の教科書の採択が行われることになり、昨年の請願がどのように活かされるのか、とても注目していました。
3月議会の文教福祉常任委員会でも、傍聴席の問題について要望を出しました。
昨年までは傍聴席が10席しかありませんでした。
一昨年は吉川市が事務局で、職員さんが機転を利かせて(?)傍聴席を増やしてくださり、確か先着15名までしか入れず、諦めて帰る市民がたくさんいらっしゃいました。昨年は三郷市が事務局でしたが、10席のままで増やしてもらうこともできなかったと聞きました。
ところが今年はなんと73席も傍聴席が用意されましたΣ(・ω・ノ)ノ!
73席です!!!
スゴイです。

そして会議が開催され、これまでのように肝心なところでは傍聴者は退席させられるのかと思っていましたが、なんとなんと、最後まで全部膨張させていただくことができました。
3年間で、すごい変化だと思います。
市民が関心を持ち続け、要望し続けてきた結果だと思います。
やっぱり声をあげていくことがとっても大事なんだと、改めて思います。

疑問に感じたこともいくつかありました。
最初に教科ごとの調査・研究員の代表者が審査した教科書の一つ一つについてその特徴を報告していましたが、特徴の羅列であって、それぞれの教科書の長所短所にまで踏み込んで発言したわけではなく、また教育の現場としては「こういう教科書が教えやすい」というような、現場の声は見えませんでした。
そういう中で、各市の教育委員会から2名ずつの代表者が出て投票するわけですが、何を基準に、どういう考えで投票しているのかということはわかりませんでした。
そういう点について議論がなされ、その上で投票が行われていたら、もっと公開性・透明性が高くなるだろうと思いました。

それでも市民の要求を前向きに受けとめ、改善に努めてくださった関係者の皆さんに、心から感謝したいと思います。