犬の権利

2021年09月16日

今日チャッピーの散歩で出会ったワンちゃんは、生後7カ月でペットショップであり得ないほど格安に引き下げられ、販売されていたとのことでした。
その方が買わなければ、ワンちゃんはどうなるのか・・・、そんな思いで買わずにはいられなかったと飼い主さんは話してくださいました。
生まれてからずっと、ペットショップの狭いケージの中で過ごし、家に連れて帰った時にはまっすぐに歩くことさえできなかったとのお話でした。

・・・ショックでした。
生まれてから7カ月の間というのは一番の成長期で、社会性を身につけたり、体力をつけたり、生まれてきた悦びに満ち溢れている時期なのではないかと思います。
何を見ても興味津々で、楽しくてたまらない。はしゃぎ回って、家族は大迷惑だけど、そうやって生まれてきた「世界」を知り、人間やほかの犬との付き合い方を覚え、それこそ犬なりのアイデンティティを確立していく、大切な成長期なのではないでしょうか。
その時期をケージの中で過ごし、歩く力さえ身につけられない状況に置かれていたという事実に驚きます。
社会性を身につけることができなかったので、散歩で他の犬に会っても「お尻のにおいを嗅ぎ合う」という犬としての社会的な交流ができず、どちらかと言えば「怯えている」・・・。そんな印象でした。

そして、もしその時飼い主さんが買わなければ、その子はいったいどうなっていたのでしょう。

以前も書きましたが、うちのチャッピーも生後4カ月で半額セールで売り出されていました。
その少し前から、手が大きくて耳が長くて、「チョコン」と座っている感じがなんとも可愛く、とっても気に行って見ていたのですが、半額セールになった時「私が買わなければ、処分されるのでは・・・」と思い、大慌てで買いました。

生命をショップで売買すること自体に問題があると思いますが、買い手がつかない犬の権利をどう守るのか、議論が必要だなぁと改めて思います。
買い手がつかなくても、その子が生きている以上はトイレのしつけをするとか、毎日の散歩はするとか、ケージから出して自由にのびのびと遊ぶ時間を確保するといった基本的「犬権」を守るような対策は当然なされるべきだと思います。
ある程度大きくなっても売れなかったからと言って、殺処分するようなことは絶対にしてはいけないと思います。
そもそも、人間が「商売」の為に繁殖させておきながら、売れなかったからと言って勝手に殺して良いはずがありません。
やっぱり、動物の生命を売買すること自体が本当に大きな問題なんだと思います。