第55回吉川母親大会に参加しました

2019年12月01日

「命を生み出す母親は 生命を育て 生命を守ることをのぞみます」のスローガンのもと、1955年以来毎年行われている日本母親大会。
「戦争から子どもたちを守ろう」という運動が全国的に広がる中、吉川市でも母親連絡会が結成され、1964年以降毎年母親大会が開催されてきました。
今年で第55回を迎えました。

今BSで朝ドラ『おしん』が再放送されています。
この春、何気なくテレビをつけたときにそれを知り、見ているうちにすっかりはまり込み、以来毎朝欠かさずに観ています。
先週は真珠湾攻撃当初の勢いは既に失せ、戦局は厳しさを増し、京都大学に通うおしんの長男・優が軍に召集されました。
戦争に向かう時局に乗って商売を拡大し、それを「男のロマン」と語る夫を冷ややかに見つめながらも「戦争反対」と言えないおしん。
子どものころ数カ月を共に過ごした周作あんちゃんから、「最後の一人になっても、お前だけは戦争反対を言い続けろ」と教えられたのに、それを行動に移せないおしん。
周作あんちゃんに貰った雑誌「明星」、そこに描かれた与謝野晶子の詩「弟よ 君死に給うことなかれ」を今も大切に思いながら、何もできないおしん。
もし自分が同じ時代に生きていたとしたら、一体どんな生き方ができたのだろうかと思います。
多分、おしんと同じようにしか生きられなかったでしょう。
だからこそ、こうして女性たち・母親たちが手を取り合って「私たちは戦争なんて望まない」「平和を願う」と連帯することが大切なんだと、今改めて思います。

今日の母親大会、午前の公演はNPO法人医療制度研究会・元済生会栗橋病院副院長の本田宏先生でした。
テーマは『最新のデータに基く本田医師による社会保障のお話』でした。
全国429の病院が医師不足と赤字経営を強いられている状況の中、病院の再編・統合が進められています。
でもなぜ赤字かと言えば、医師が不足しているからです。
日本の医師数は約32万人で、人口1000人当たりの医師数はOECD加盟国35か国中30位という低さです。
OECD諸国並みの医師数を確保するためには、あと12万人必要ということです。
しかしその12万人を確保するための医学部が確保されていません。

盲腸の手術で入院した場合の都市別費用を比較すると
一番高いのはジュネーブの297万円、2位のサンフランシスコは250万円、3位のニューヨークは216万円。
ロンドンは5位で152万円、6位のバンクーバーは150万円、7位パリ113万円。
ところが済生会栗橋病院というか日本では40万円。
しかもアメリカはよくわかりませんが、ヨーロッパ諸国では医療費の自己負担はゼロなのに、日本では5~6万円の自己負担。
日本の健康保険では自己負担が3割負担となっていて、1割負担を基本としていた75歳以上の後期高齢者医療保険も2割負担となる方向です。
日本の年金制度は2000万円足りないから自分でその分をちゃんと貯金しろと言われていて、しかも75歳まで働けと言われて、なおかつ年金は下がる一方で、しかも医療費の自己負担が2倍になる・・・。
こんなめちゃくちゃな政治、社会保障の崩壊が今どんどん進められています。
その一方で平和憲法9条が変えられようとしていて、安倍内閣は「愛国心」を訴えています。

イギリスの文学者サミュエル・ジョンソンはこう言ったそうです。
「愛国心は卑怯者の最後の隠れ家。政府は我々を幸せにすることはできないが、みじめな状態にすることはできる。腐敗した会には多くの法律がある」。
正に安倍内閣はこの間、国民を縛る多くの法律を作ってきました。
教育基本法の改悪、安保関連法そして秘密保護法の強行採決などなど。
社会保障制度の改悪と安倍政権の右傾化・戦争する国つくりはセットで進められているということをしっかりと見ていかないといけないということを改めて学んだ母親大会でした。