避難訓練~困窮した市民に寄り添うことの大切さ~

2022年07月29日

今日は夕方市役所の避難訓練があり、私たち議員も参加しました。
1階の西側男子トイレで出火との想定での訓練でした。
これまで消火器がどこにあるかも知らず、火災が起きたときに庁舎の防火シャッターが閉まるとどうなるかも知らずにいたので、とても良い学びの機会でした。

3.11の時、長男は仙台で学生生活を送っていました。
なかなか連絡が取れなかったので無事なのかどうか本当に心配でしたが、実は地震災害の多い仙台では大学でも当たり前のように避難訓練が重ねられていたと後で知りました。
地震が起きたときもいつもの避難訓練と同じように避難をしたと息子から聞き、日ごろの避難訓練の大切さをしみじみと感じたものでした。
今日の避難訓練も、意義深いものだったと思います。

訓練の最後に消防の方からお話をいただきました。
近年の火災の傾向として出火件数は減少傾向にあるが、出火原因として放火が増えているとのお話でした。
市庁舎で起きた火災として、2013年の兵庫県宝塚市の事例が紹介されました。
市税収納課で納税相談に訪れた市民が火炎瓶を投げつけ、火災が発生したとのこと。
ベランダに避難しやすい構造だったことや、出入り口が複数で避難しやすい環境があり、人的被害が少なくて済んだというようなお話だったと思います。
また一方で、避難訓練の必要性が再認識されたというようなお話もあったように記憶しています。
なるほどなぁと思いながらお聞きしました。
そのお話の後市長からより近いところでは稲城市でも放火事件があり、それを受けて吉川市では元警察官を職員として採用したというようなお話がされました。

実は私も今日、市民の方から納税相談を受けました。
相談に行ったのに・・・と、市の対応に非常に不満を抱いていらっしゃいました。
困窮していてそれでも支払うつもりがあるから相談しているのに、市の対応はなんて冷たいんだと、困窮しているからこそ感じるのだと思います。
「要するに死ねってことね」「命より納税が大事なのね」と感じる気持ち、わかる気がします。
「窮鼠猫を噛む」という言葉がありますが、追い詰められた時とんでもない行動に出てしまう人も中にはいるのだと思います。

2014年に出された宝塚市の「市庁舎放火事件検証最終報告書」を読むと、「不当要求行為や行政対象暴力を未然に防ぐための組織的な対応と して、職員のより一層の資質の向上だけでなく、困りごとを抱えた市民に寄り添 うための体制のあり方も検討する必要がある」と書かれています。
本当に、困りごとを抱えた市民にどう寄り添うのかということは非常に難しいけれど大切な課題だと感じます。
共感され、寄り添われていると実感する市民は、決して猫を噛んだりしないのではないかと思います。
元警察官の採用に私たち共産党議員団は反対しましたが、「取り締まる」的な発想よりは「寄り添う」という発想の方がずっと大切だと改めて思います。