朝ドラ『風薫る』
看護学校に入学して間もないころだったと思いますが、教員の言葉で忘れられない一言があります。
それは、看護師にとって最も大事なことは「あれ?いつもと違うな」「何かおかしいぞ」と気付くことだという言葉でした。
それは例えば表情であったり、仕草であったり、血圧や脈拍であったり。それがいつもと同じなのか違うのか、違うとしたらなぜ?何が起きているのか?そこに関心を寄せてしっかり考える態度がとても大切だと教えられたのだと思います。
私はダメ学生だったので、その言葉の意味をちゃんと理解できたのは社会人になってからだったと思います。
NHKの朝ドラ「風薫る」。
このドラマに惹かれるのは、私が看護師だからかもしれません。
今週はナイチンゲールが書いた『看護覚書』という看護師の必読書がまだ和訳されていなかった当時、日本で最初の看護学生だったみなさんが必至で和訳していく様子が描かれていました。
「observe」という英単語をどう和訳するのか。「watch」でもなければ「see」でもなく、けれど「見る」というのはどういうことなのか。
みんなで悩む様子がとても面白かったです。
そして仏教用語の「観察(かんざつ)」=「智慧によって対象を正しく見極め、仏や浄土の姿を心に映す修行法」にたどり着き、「observe」の和約に「観察」という言葉があてられました。

あのとき教員に教えられた一言はこのことだったんだと、今更ながら改めて気が付きました。
「看護史」の授業では大関和や桜井女学校が日本の看護のスタートだったと学んだことは記憶にあります。
下女の仕事、卑しい身分の女性の仕事と見做されていた看護を、一つの専門的職業として発展させていった先輩方が一体どんな苦難の道を歩んだのか、今までは知る由もありませんでした。
ドラマを観ながら、『看護覚書』を改めて読んでみようと思ったり、看護の歴史をもっと学びたいと思ったりするこの頃です。
