旭小学校・関小学校の統廃合 教育委員会での慎重審議、地域住民との合意形成こそ大切に

2026年06月26日

全国的に学校の統廃合が進んでおり、この20年で7,634校、年平均380校が廃校になっています。吉川市でも2028年度を目途に旭小学校と関小学校を統廃合する動きが進んでいます。更にその後、三輪野江小学校と栄小学校を統廃合する方向です。
今年度予算には「小学校区審議会委員報酬」が予算化されました。こども教育常任委員会でその具体的な内容について質問すると、「旭小学校と関小学校を統合した際にどの範囲にスクールバスを走らせるか、どの範囲が徒歩通学可能かを審議する」との答弁でした。
もうそんなところまで話が進んでいるのかと、とても驚きました。

「市長キャラバン」「どこでも市長」は意見聴取・意見交換の場!

この問題について昨年12月と今年3月の市議会では吉川敏幸議員が、6月議会では私と岩崎さゆり議員が一般質問しました。

市は「人口減少が進む中、子どもたちの教育環境について保護者や地域の方から不安を訴える声が多くなってきた。一昨年12月以降、『市長キャラバン』『どこでも市長』や地域行事などの機会をとらえて市長・教育長が地域に出向き、1年以上かけて意見交換を行ってきた」「いただいたご意見を踏まえ、昨年11 月の市長キャラバンで最も持続可能で現実的な方向性として、旭・三輪野江小学校をそれぞれ関・栄小学校に再編するとの案を示した」と説明しています。その後はこの案が決定事項であるかのように旭小学校保護者に対し書面で市の考えを説明、PTAとの合同説明会を開催してきたとのことです。

市ホームページでは「市長キャラバン」は市民の意見聴取、「どこでも市長」は市民との意見交換の場と明記しています。市の重要な方針を決める場ではありません。
そこで市の方向が決まっていくというのは、とても不思議な話です。

教育委員会で審議を尽くしたのか?

一昨年12月から市民と話し合ってきたと言いながら、市教育委員会で審議したのはようやく今年2月になってからです。そしてその翌日、市の政策会議に付議し共通認識をはかったとの説明です。

教育委員会は市長部局からは独立した組織であり、学校の設置や運営をはじめ、地域の教育行政全般を管理・執行する機関です。保護者や地域のご意見を踏まえた上で、市が目指す「個別最適化」「非認知能力の向上」という視点から見てどうなのか。また市の教育大綱「家族を 郷土を愛し 志を立て 凛として生きてゆく」という視点から考えて、150年の歴史を誇る郷土の大切な小学校を簡単に廃校にして良いのか。それで郷土を愛する気持ちをどう育てるのか・・・。様々な角度から検討されるべきです。

教育委員会議事録からは、こうした様々な視点から一つ一つ丁寧に検討した形跡はうかがえません。 

小人数はダメなことなのか?

小学校の同級生がわずか9人だった私には、「子どもの教育環境の改善」と言われても小規模という環境の何処がどのように問題なのか全くわかりません。(あ、保護者のみなさんの不安な気持ちはわかります。)

今回の一般質問を前に、私は小学校の同級生にLINEで私たち自身の小学校時代をどう考えているかを聞いてみました。驚いたのは「自分で学ぶ力が身に付いた」とみんなが異口同音に答えたことでした。
そして私自身もそう思っています。
少人数で、マラソンをしても徒競走をしても、算数のテストも国語のテストも1位から9位まで固定化してしまう・・・。それ自体は事実だったと思います。
でも少人数だったからこそ一人ひとりが主人公になれる「場」があり、一人ひとりが輝けた気がします。
少人数でも喧嘩もあったし複雑な人間関係もありました。しかしクラス替えや別のグループのお友だちと親しくなることで逃げることのできない環境の中で、苦手な人とどう付き合うかということもそれなりに取得した気がします。

人数が少ないことは、決して「劣悪な環境」ということではないと知ってほしいなぁとも思います。


子どもの意見表明権は尊重されているか?

子どもの権利条約第12条は子どもが自己の意見を自由に表明し、その意見が年齢や成熟度に応じて尊重される権利を保障しています。岩崎議員はこの視点から質問をしました。

市は今年2月、学校の良い所や困っているところを聞くため、教育長をはじめ教育委員会職員が旭小学校に赴き、一緒に給食を食べながら話をしたと答弁しました。ジャージ姿で、できるだけざっくばらんに話ができるように心がけて出向いたそうです。
しかしその際、統廃合の是非を問うような質問は投げかけていないということでした。

「統廃合」について口を閉ざして子どもの意見を聞いたとしても、子どもの意見表明権を尊重したとは言えないのではないでしょうか。

地域の意見は尊重されないのか?

 6月24日(水)、午後6時から学区審議会が開催されました。メンバーは旭小・関小それぞれの学校代表・PTA代表・学区市民の代表、学識経験者の7名で構成されました。
最初に旭小・関小の統廃合について話し合われました。旭小学校区の代表者は反対意見を述べ、地域でも反対意見が多いと発言しましたが、すぐに多数決が取られ、賛成多数で可決してしまいました。

全国でも小中学校の統廃合が進んでいますが、地域住民との合意形成が最も難しく、5~8年を要していると言われています。
吉川市が住民のみなさんと話し合ってきたのはわずか1年半です。もっと丁寧な合意形成が必要です。

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