吉川橋の発泡スチロール工法

2021年04月08日

2014年からスタートした、吉川橋の架け替え工事。
吉川橋は、吉川市から越谷・川口・浦和方面に向かうにも都心に向かうにも、どこかで必ず渡らなければならない中川に架かる主要な橋だと認識しています。

工事スタートから、はや7年。
この3月、4車線のうちの北側2車線の部分が完成し、走行が可能となりました。
来年には南側2車線も完成し、工事が完了する予定です。
今は、越谷市側と橋の4車線は完成していて、吉川市側の橋の取り付け部分がまだ未完成となっています。

埼玉県ホームページより
埼玉県ホームページより

この、吉川川の橋の取り付け部分に関して、「発泡スチロールがむき出しになっている」「万が一トラック事故などの大事故が起きてガソリンが漏れるような事態になった時、橋に引火しないのか」といった問い合わせをいただきました。
越谷市にある県土整備事務所に確認に行ってきました。

土台部分の白いブロックが発泡スチロール
土台部分の白いブロックが発泡スチロール

教えていただいたのは、今は発泡スチロール工法というのが広く行われているということでした。
例えば公園の築山、スタジアムの観戦スタンドの嵩上げ、道路のスロープ、トンネルの荷重軽減、そして橋台裏込め。そのほかにもあらゆるところで発泡スチロールが使われていて、この10年ほどかなりスタンダードになっている工事だということでした。

発泡スチロール土木工法EDO-EPS工法用 KANEKA(パンフレットより)
発泡スチロール土木工法EDO-EPS工法用 KANEKA(パンフレットより)

発泡スチロールと言っても、私たちが日常生活の中で使用するものとはかなり違い、もっと圧縮し、強度を強くしたものとのことです。
基礎部分の土にコンクリートを混ぜ地盤の強化を行い、発泡スチロールのブロックを並べていく際には一つ一つのブロックがズレないように固定する「緊結金具」で固定。
その上にコンクリートを敷いて、更にその上に道路面をつくるということでした。

今は北側2車線部分しか出来上がっていないので発泡スチロールがむき出しになっていますが、南側2車線が完成すればそれによって覆われ、南側部分に施工される発泡スチロールも被覆材でおおわれることになるそうです。
今むき出しになっている発泡スチロールも、万が一の事故時に備え、引火などもしないように表面が強化されているそうです。

今、土砂が不足していると聞いています。
発泡スチロール工法の安全性等について私は何の知識も持ち合わせていませんが、発泡スチロールを使えば無駄に山を切り拓くようなことは起きないだろうと思いました。
一方で発泡スチロールの原料は原油であり、全国、そして世界中で開発が行われ、発泡スチロールが使用される中で、いったいどれだけの原油を使っているのだろうということは気になりました。