改憲は今こそ成し遂げなければならない課題???

2023年01月18日

2カ月近く前の話になってしまいましたが、去る11月20日(日)、9条の会@よしかわの学習会が開催されました。
全日本民医連動画ページ・YouTubeに掲載された、「白神優理子弁護士が語る『憲法9条 変えたらどうなる』を見ての学習会でした。
動画は①~⑥まであり、①自民党改憲草案(前編)②自民党改憲案(後編)③軍事力の強化で平和は作れない!④憲法9条の大きな力⑤緊急事態条項は独裁国家の入り口」と続きます。1本10分程度の動画で、とても分かりやすいのでおススメです。

Q:岸田首相は憲法改正について、「今こそ成し遂げなければならない」と語っています。憲法は変えなければいけないのでしょうか?

A:首相や国会議員は日本国憲法を守り、中身を実現していくのが役割だと憲法で決められています。
憲法は何よりも私たち国民のいのちや自由、好きなように生きて幸せになっていく、それこそが最も政治の上で大事だと憲法は定めています。一人ひとりの大事な権利を奪ってはいけないと国、首相や国会議員の手足を縛り、絶対に国民一人ひとりの権利・自由を奪わないようにと国に命令をしています(立憲主義)。
国、つまり首相や国会議員など権力を持っている人たちは、憲法を守り、生かしていくことこそ政治の仕事です。憲法を守る側が「憲法を変えなければいけない」と言うこと自体が立憲主義に反する姿勢であり、とても不誠実だと言わざるを得ません。

憲法は国を縛ると同時に、国に対して「こういう風に仕事をしなさい」という命令もしています。その代表は日本国憲法25条です。すべての人が健康で文化的に生きる権利(生存権)をしっかりと実現していくために、国や行政は社会保障、福祉を充実させていかなければならないと命令しています。
今政治がやらなければならないことは憲法を変えることではなく、コロナ対策・景気回復・労働条件と労働環境の改善・社会保障の充実化・・・、これこそやらなければいけないことです。

ところが今の政治は社会保障を削りに削っています。コロナの問題で国民のみなさんが苦しんでいる時に、国会開会の求めがあっても一向に開きませんでした。憲法を守っていません。憲法で命じられている仕事をせず、憲法を守らず、国民が求めてもいない改憲の方を「これこそやらなければいけない」と言うのは、明らかに憲法に反する今の政治の動き方だと言わざるを得ません。

Q:自民党は改憲4項目で自衛隊を明記しようとしています。自衛隊を明記すると、どうなるのでしょうか。

A:憲法9条には戦力は持たないと書いてあります。歴代自民党政権は「日本が攻撃された時に、自分たちの身を守る必要最小限の実力を行使する」と、ギリギリセーフで「9条が持つことを禁止している戦力には当たらない」と説明してきました(専守防衛)。
ところが安倍政権の時代に180度考え方を変えました。日本が攻撃されてもいないのに、お友だちの国と一緒に参戦し、武力の行使までできると閣議決定されました(集団的自衛権の行使)。
日本が攻撃されていないのに、海外の戦争、しかも前線まで行って銃を撃つ、殺し殺されるということを可能にするのが「集団的自衛権の行使」です。わかりやすく言うと「他人の喧嘩に首を突っ込む」と言うことで、日本を守るためのものではありません。
しかし安倍政権の時代に集団的自衛権の内容を書き込んだ「安保関連法」と言う違憲の法律が押し通されてしまいました。

法律はできましたが「戦力を持ってはいけない」と言っている憲法9条があるので、それが歯止めになり、多くの人も「憲法違反」だと批判の声をあげているので、実際には集団的自衛権の行使は実行に移されていません。今も憲法がしっかりと歯止めとして機能する力を持っているということです。これを取っ払ってしまおうというのが自民党の改憲案です。


岸田政権は故安倍元首相がやろうとしていた軍事大国化を更に更に推し進める方向に進んでいて、とても怖いと感じています。

タレントのタモリさんはこれを「新たな戦前」と表現しましたし、先日の朝日新聞「声」の欄には中学生が「このままいけば私たち若い世代こそ戦争に巻き込まれ、戦場に立たされるかもしれない。今手元にある幸せが、消えてしまうかもしれない」と投稿していました。
本当に怖い状況が始まっているからこそ,何故自民党は憲法を変えようとしているのか、変えるとどうなるのか、戦争する国にしないために私たちがすべきことは何か・・・。
しっかり勉強していきたいと思います。