給食と有機米でまちづくり

2020年10月30日

同期でご近所の岩田京子市議と、市民ネットワーク代表の猪野満里子さんが主催する学習会「給食と有機米でまちづくり いすみ市の農林課に聞く」に参加させていただきました。

「人もコウノトリも住める地域づくり」を合言葉に、生物多様性の保全・ 再生と環境保全型農業の推進によるまちづくりを進める千葉県いすみ市。
その具体的な施策として2014年から有機米栽培を始め、2015年には学校給食への提供がスタート、2017年からは学校給食に全量有機栽培米の提供が可能になったとのことです。
米だけでなく野菜も現在7品目、有機で提供しているそうです。

元々はいすみ市の知名度を上げる、市のウリのための戦略として始めた事業ですが、農林水産大臣賞・食文化賞をいただいたり、「いただきます」という映画が作られたりと思った以上の反響があったそうです。
有機栽培には小学生も授業の一環として直接かかわり、有機農業が子どもたちへの支援・地元農業への支援・まちのアイデンティティとしてのウリとなり、『田舎暮らし』では関東地方で4年連続1位を獲得しているそうです。
かつて人口減少が著しいいすみ市では水田農業が衰退し、そこにタヌキやアライグマなどが出没するようになり、住むこともできなくなりそうな状況だったそうです。
いすみ市の生物多様性戦略の中で、2012年自然と共生する里づくり協議会を設立。
環境部門・農業部門・経済部門の38団体が参加し、市が補助金を出すのではなく、市も一緒になって進めていくとの姿勢で続けてきました。
お話を伺っていて感動したことがいくつかありました。
ひとつは、お話をして下さった農林課の鮫田さんの「この事業を前に進めるんだ!」という確固たる熱い思いです。
その一方で対立を生まない配慮、「全体が良くなれば・・・」という緩やかな姿勢で、有機農業だけに価値を置くのではなく、有機栽培に取り組まない農家にも配慮を忘れないという姿勢です。
それから何よりも、子どもたちに安全な給食を提供したいという姿勢が本当に感動です。有機米にして起きた最初の子どもたちの変化は、残食が減ったということだったそうです。
これはいすみ市だけでなく、給食に有機米を提供している他の地域でも起きている事実だということです。
吉川市の学校給食も有機米にできるといいなぁと思いました。
議員団会議で、この学びについて報告をしました。
いすみ市には議会でも数年前に視察に行きました。
市の職員さんのお話だけではなく農家さんのお話も聞いてみたいという話になり、今度議員団で視察に行こうと話し合いました。
ぜひ実現させたいと思います。

いすみ市の有機栽培米「いすみっこ」はネットショップで購入可能とのことです。